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2009年10月29日 (木)

年次有給休暇

お勤めしたことがある方なら有給休暇をとったことはある思いますが、労基法では有給休暇の支給要件についてきっちりと決められています。

具体的には2つのハードルがあります。
 ・雇入れの日から6ヶ月以上継続して勤務していること
 ・その6ヶ月の全労働日のうち8割以上出勤していること
これらの条件を満たしたときに、10日の有給休暇が与えられます。

「自分は入社したときから有給休暇があったよ」と言われる方もいるかも知れませんが、それは事業主側のサービス。
だって労基法1条で「この法律の定める基準は最低のものだから・・・向上を図るよう・・・」って言ってるじゃないですか。
労基法の基準を上回る内容は当然OKなんです。

で、こんな場合の支給要件を見るときには、短縮された期間(4/1入社の場合、付与された日~9/30まで)は全部出勤したものとして計算します。

上記の場合以外にも、継続勤務の算定の際には全労働日には含めない日があります。
 ・所定の休日
 ・使用者の責めに帰すべき事由による休業日
 ・正当な争議行為による休業日
これらの日は元々会社はやっていないんですから出勤しようにも無理ですよね。簡単にいうと「なかった日にしちゃおう」ってことです。


一方8割以上出勤の計算上、出勤したと見なす日もあります。
 1.業務上負傷により休業
 2.育児休業
 3.介護休業
 4.産前産後休業
 5.年次有給休暇所得日
この日を休むことによって出勤率が下がっちゃうなら、そんな制度を利用したくないですよね。制度の趣旨から考えても、たとえ休んだとしても出勤したと見なすわけです。


6ヶ月継続勤務&8割以上出勤で10日付与ですが、その後1年継続勤務&8割以上出勤するごとに一定の日数が加算されます。付与日数の上限は20日です。
    ~6月 : 10日 (12日)
 ~1年6月 : 11日 (13日)
 ~2年6月 : 12日 (14日)
 ~3年6月 : 14日 (16日)
 ~4年6月 : 16日 (18日)
 ~5年6月 : 18日 (20日)
 ~6年6月 : 20日   

ただし労基法70条「訓練生の特例」の適用を受ける未成年だけはちょっと早いペースで付与されます・・・上記( )内

もし 6月~1年6月の間に8割以上出勤しなかった場合付与日数は11日 0日ですが、その翌年(1年6月~2年6月の間)に8割以上出勤した場合は、11日ではなく12日となります。


ところで、パートさんのように労働時間が短い人には有給休暇はあるんでしょうか?
原則はありなんですが、労働時間と労働日数によっては少なくなります。いわゆる比例付与というやつです。

具体的には、週の所定労働時間が30時間未満であって、週の労働日数が4日以下の場合が対象になります。

例えば日5時間で週4日勤務の方の労働時間は週20時間ですから、30時間未満&4日以下(比例付与の対象)に該当します。

給付日数の計算式は、「A×B/5.2」(1未満の端数は切り捨て)です。
  A…通常の労働者に付与する年次有給休暇の日数
  B…比例付与対象者の1週間の所定労働日数
  5.2…通常の労働者の週平均労働日数に相当する数


ですから、上記で例示した方の最初は有給休暇の日数は、10日×4日÷5.2日=7.69・・・≒7日となります。


もうひとつ、有給休暇の計画的付与という制度があります。労使協定(届出不要)により「一斉に休む日を決めてみんなで休んじゃおうよ」ということです。
いったんこの制度を使った場合、有給休暇の取得日を変更することはできませんので注意が必要です。
なお、この制度は取得した有給休暇の全日数を対象とすることはできません。最低でも5日は残して下さいね。(5日は労働者の自由にってことです。)



H22.4の法改正で「労使協定を締結することにより、年5日を限度として時間単位で有給休暇を付与」できるようになりました。

労使協定で定める事項は以下の4つ
 1.対象労働者の範囲
 2.時間単位年休の日数(5日以内)
 3.時間単位年休の時間数
 4.1時間以外を単位とする場合はその時間数



労基法では、先に述べた「割増賃金」と、この「時間単位年休」の2箇所が大きく改正になっていますので要注意です!!

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