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2009年12月19日 (土)

労災法:休業(補償)給付

労災事故にあってしまった場合、その治療に対する負担は療養(補償)給付で対応しています。でもそれだけでは片手落ちですよね。
なぜなら、仕事ができない間の所得の補償がなければ、労働者本人やその家族は生活できないからです。

そこで労災法では、休業(補償)給付という形で、労働者が仕事ができずに収入を得ることができない間の所得(の一部)を補償しています。
 
でも、収入がなければ無条件に支給されるわけではありません。

 

休業(補償)給付は、療養のために労働することができないときに、賃金を受けない日の4日目から支給されます。つまり、賃金を受けなくなってから3日間は支給されないということです。(この3日間を待機期間といいます。)

労災法では、この待機期間の3日間は連続していなくてもOKです。(健康保険法でもにたような制度があるんですが、こちらは連続していなければいけません。試験で引っ掛けるためにわざと変えてるように思えちゃいます。)

ではこの3日間の補償はどうなるんでしょうか?

休業補償給付(業務災害)と休業給付(通勤災害)では、この3日間の取扱いが異なっています。

休業補償給付の場合は、待機期間の3日間は事業主に補償責任があります。ようするに休業補償給付が出ない3日間は事業主が支払う必要があるということです。
これは労基法76条84条が元となっています。つまり76条で「使用者は休業補償をしなければならない」とする一方、84条では「労災保険が給付される場合は補償の責を免れる」とあるので、労災保険が支給されない1~3日間は使用者は休業補償をしなければならないということです。
(言いかえると「4日目からは労災保険が出るので、労基法の使用者責任を免れている」ということ。)

労基法では通勤災害についての補償義務はないので、休業給付の場合の待機3日間については使用者になんら責任はないわけです。


ところで「賃金を受けない日」には、丸一日休んだためにまったく賃金を受けない日だけではなく、労働時間の一部を休んだために賃金が少なかった日も含まれることがあります。

正確にいうと、以下の3パターンの場合は「賃金を受けない日」となります。
 1.賃金の支払いを(まったく)受けない
 2.所定労働時間の全部が労務不能で、平均賃金の60%未満の金額しか受けない
 (完全に休んでいるが、使用者から60%未満の賃金がしか出ていない)
 3.所定労働時間の一部が労務不能で、平均賃金と実労働分の賃金の差額の60%未満の金額しか受けない
 (平均賃金から働いた分の賃金を除いた部分について、使用者から60%未満の賃金がしか出ていない)

ということは、完全に休んでいてしかも賃金の59.999・・・%の賃金を支給されている場合が一番おトクですね。
 
 
支給される額は、原則として1日につき給付基礎日額の60%です。一部労働の場合は、給付基礎日額(最高限度額を適用しない)から実労働分の賃金を控除した額の60%が支給されます。

実労働分の賃金と支給額を足して60%ではありませんよ。
(ということは、使用者から60%未満の賃金が出ていれば、休業(補償)給付60%と合わせて、100%を超えることもあります。)
 
 
休業(補償)給付は、療養のために労働不能で賃金が支給されない限り
ず~っと支給され続けます。ただし、労働者が刑事施設や少年院なんかに入っている間は支給がSTOPされます。
(塀の中にいる間は、違う意味で労務不能ですから・・・

もうひとつ、傷病(補償)年金に切り替わった場合にも支給されなくなりますが、その話は次回。。。

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