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2009年12月 6日 (日)

労災法:適用事業と適用労働者

今日から労災保険法(以下労災法)です。
 
みなさんは、「仕事で怪我をしたときなんかは健康保険が使えない」という話を聞いたことはないですか?
これは、労働者が業務上or通勤上の理由で怪我をしたり病気になったりしたときには、健康保険ではなく労災保険から支払いが行われるからです。
 
 
労災法は個人ではなく事業単位で適用されます。強制適用が原則なので、労働者を一人でも使用している事業は、たとえ届出をしていなかったとしても適用事業となります。
ですから、届出をしていなかったからといって、事故が起こったときに労災保険が支払われないということはありませんよ。

強制適用の例外(労働者を使用していても労災保険法が適用されない事業)は以下の3つです。
 1.国の直営事業
 2.官公署の事業(地方公務員の現業部門の非常勤職員を除く)
 3.船員保険の被保険者(一部の船舶や疾病任意継続被保険者を除く)
これらの事業の労働者は別の法律によって守られているので、労災保険法が適用されなくても大丈夫ってことです。
 

また個人経営の事業の中には暫定任意適用事業といって「とりあえず今のところは強制適用しないけれど、入りたければ入ってもいいよ」という事業もあります。
どういうことかというと、労災保険に加入すれば保険料がかかりますよね。個人でやってる小規模な農林水産業がたまたま手伝い程度の労働者を雇った場合にまで、労災法を杓子定規に適用しなくてもいいんじゃない~ということです。

ちなみに、任意適用というシステムは労災保険法以外に、雇用保険法、健康保険法、厚生年金法にもあります。ちょっとづつ違ったところはありますがほとんどよく似た基準なんで、まとめて憶えたほうがラクですよ。
(市販のテキストでは個々の法律ごとに説明しているので勉強が進むにつれて混ざってしまいがちですからね。)

労災法の暫定任意適用事業を簡単にいうと、個人事業で常時5人未満の労働者しか使用しない事業のうち、一定の事業をいいます。

労災保険に加入するかどうかは事業主の自由ですが、もしその事業に使用される労働者の過半数が「労災保険に加入して!!」と希望したときは、加入しなければいけません。
(健保法、厚年法は、希望があっても加入する義務はありません。)
 
 
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労災法においては、実質上の使用従属関係がありかつ賃金を支払われていれば、労働者となります。雇用形態は一切関係ありませんので、パートやアルバイト、外国人労働者であっても、適用事業に使用されていれば労働者になります。不法就労の出稼ぎ外国人であっても、もちろん適用動労者です。
(入管法違反にはなるでしょうが、それと労災法とは別の話です。)

個人事業の事業主や、法人の代表取締役、同居の親族などは、原則として労働者にはなりません。(ただし、特別加入する方法はありますけど・・・)

 
A社に勤務しながらB社でも働いているなんていうように、複数の事業に使用される人は、それぞれの事業において労災法の適用を受けます。A社で仕事中の事故はA社の労災保険を使う・・・当たり前のことですね。

派遣労働者の場合は派遣元の事業の適用労働者とされます。
また移籍出向の場合は(出向先に籍が移るので)出向先の適用労働者になりますが、在籍出向の場合は、その労働者の労働実態や契約に応じてどちらになるかが判断されます。

労災法は国外事業には適用されませんので、日本企業の外国支店に勤める人は適用労働者にはなれません。(こっちも、個別に特別加入する方法はありますけどね。)



 おまけ
「nini-kanyu.pdf」をダウンロード

 

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