労災法:傷病(補償)年金
被災労働者が休んでいる間の所得補償として休業(補償)給付があります。(これは1日単位での補償です。)
でも病気やケガが重くてなかなか直らないときには、労基所長の職権で、休業(補償)給付をやめて傷病(補償)年金に切り替えられちゃう場合があります。(こちらは年金です。)
日々ちまちまと計算するのが面倒だからでしょうか?(笑)
職権で切り替わるんですから特に手続きはありません。毎年提出が義務づけられている「傷病の状態等に関する報告書」を労基所長が見て、傷病(補償)年金の要件に該当している場合は勝手に切り替わります。
でその要件ですが、被災労働者が療養を開始してから1年6ヶ月が経過した日において、
1.負傷・疾病が治っていない
2.傷害の程度が、傷病等級1~3級に該当
という2つを満たしたときに、その状態が継続している限り支給となります。
傷病等級1~3級の違いは支給額です。どの等級に該当するのかも労基所長が判断して、給付基礎日額×(1級=313日分、2級=277日分、3級=245日分)が支給されます。
(この数字と、次に出てくる障害(補償)給付の日数は必須ですよ。)
なお、この傷病等級による傷病の程度は、6ヶ月以上の期間にわたって存する障害の程度により認定されます。
支給決定した後で、ケガが直ってきたとか、病気が重くなるとかで、労働者の傷害の程度に変更があった場合は、新たな傷病等級に応ずる傷病(補償)年金が支給されます。
もし、直ってはいないけど傷病等級3級よりは軽くなったら。。。?
傷病(補償)年金の受給権は消滅し、代わりに休業(補償)給付が支給されることになります。
最後に労基法81条との関係です。
療養の開始後3年を経過したときに傷病補償年金を受けている場合は、その日に打切補償を支払ったとみなされ解雇制限が解除されます。
3年を経過した日より後に傷病補償年金を受けることになった場合は、受けることになった日が打切補償を支払ったとみなされた日です。
注意深く読んだ人は気付いたかも知れませんが、傷病(補償)年金ではなく傷病補償年金です。労基法なので、通勤災害(傷病年金)は含まないということですね。
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