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2009年12月17日 (木)

労災法:療養(補償)給付

今日から保険給付についてお話しますが、ブログ上の表記方法として、療養補償給付(業務災害の保険給付)と療養給付(通勤災害の保険給付)をあわせて療養(補償)給付とします。ほとんどのテキストが同じ表記の仕方でしょうから迷いはないと思います。
ただし本試験ではこんな風に省略して書いたりしませんので、どちらのことを指しているのか注意して読んでくださいね。
 
 
療養(補償)給付というのは要するに怪我や病気の治療(orその治療費)です。
病院で治療してもらうのは療養の給付、治療費を払ってもらうことを療養の費用の給付として分けています。(2つ合わせて療養(補償)給付ということです。)

でも、被災労働者がどちらにするか好きに選べるわけではありません。
労災事故に遭って病院に行ったときに、処置をしてもらったり薬をもらったり、、、現物支給が原則です。

では、どこの病院に行ってもいいんでしょうか?
療養の給付を受けることができるのは指定病院等で治療を受けた場合のみです。
社会復帰促進等事業として設置された病院や診療所、都道府県労働局長が指定する病院、診療所、薬局訪問看護事業者

ちなみに、労災保険の指定病院(いわゆる労災病院)と、健康保険が使える病院(保険医療機関)とはまったく別物です。両方の指定を受けた病院もありますが、片方の指定を受ければもう一方も自動的にOKになるわけではありません。

この現物給付(療養の給付)には6項目あります。
 1.診察
 2.薬剤or治療材料の支給
 3.処置、手術、治療
 4.居宅における療養上の管理and世話and看護
 5.病院などへの入院and世話and看護
 6.移送

 (横断勉強)
労災法の療養の給付と健康保険法の療養の給付は(移送を除いては)同じ内容です。
(健康保険法でも移送にかかる費用は支給されますが、移送費という別の項目になっていますので、結果的に療養の給付は5項目になります。)

 
 
現物支給が原則ですが、「現物支給を受けることが困難な場合」or「受けないことについて相当の理由がある場合」には、療養の給付の代わりに療養の費用の給付が支給されます。
(正当な理由ではなく、相当な理由です。)

困難な場合とは、「近くに指定病院がない」とか「指定病院はあっても必要な治療をするだけの設備がない」のように、政府側の事情で現物給付を受けることができない場合をいいます。
一方、相当の理由とは、「緊急で運ばれた病院が指定病院ではなかった」「外国で治療を受けた」など、労働者側に事情がある場合です。
 

請求の手続方法ですが、療養の給付は治療を受けた指定病院等を経由するのに対し、療養の費用の給付は本人が直接請求しなければいけません。
指定病院じゃないところで治療を受けたんですから病院に頼めるはずないですよね。(例えばアメリカの病院に労災の書類を出しても「Why?」って言われるに決まってます。)
 
 
この療養(補償)給付は、その傷病が治ゆするまでor死亡するまでず~っと支給されます。
ちなみに治ゆには、症状が安定し疾病が固定して治療の効果が期待できなくなった場合も含まれます。(事故で手足を切断した場合、元通りに直ることはありえません。こんな場合は治療が終われば支給も終わり、後は障害(補償)給付のお世話になるわけです。)
  
 
最後に一部負担金について。健康保険には「被保険者は3割負担」のように一部負担金がありますが、労災保険の療養補償給付には一部負担金はありません。
ただし、療養給付を受ける労働者は、原則200円(健康保険法の日雇特例被保険者は100円)を負担しなければいけません。
(この200円は最初の休業給付から控除されます。毎回200円ではなく一事故につき初回のみ200円です。。。たったこれだけの額で、政府はなんかの足しになるんでしょうか?)
 
 

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