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2009年12月13日 (日)

労災法:給付基礎日額 1

労災事故にあった場合保険料が支払われますが、その保険料の計算の基礎になるのが給付基礎日額といわれるものです。怪我や病気の状態(等級で分けられています)によって、「給付基礎日額の○日分」というように、支給額が決まります。

ようするに、その人が1日どれくらいの稼ぎがあったかを見て、休んでる間その稼ぎの60%は出してあげよう(=休業補償給付)とか、年間これくらいは稼ぐはずだったから稼ぎの○日分は補償してあげよう(=傷害補償給付)ということです。

ここで重要なのは、給付基礎日額は人によって額が異なるということです。賃金が多い人には多く、少なければ少ないなりの給付基礎日額になってしまいます。(生活保障なんだから一律最低限でいいじゃんと言いたいところですが、稼得能力の損失補てんとしての意味合いから、賃金なりの補償額になっています。)
 
 
では給付基礎日額はどうやって計算するのでしょうか?
 

労災法8条で「給付基礎日額は労基法の平均賃金に相当する額とする」とあります。式で書くと以下のようになります。

 算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額
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      算定事由発生日以前3ヶ月間の総日数

簡単にいうと、3ヶ月の賃金を平均した額ということですね。

計算上、給付基礎日額に1円未満端数が出たときは1円に切り上げます。労基法の平均賃金は銭未満を切り捨てでしたから要注意です。(労災法のほうがサービスがいいと覚えましょう。)

サービスがいい点はまだあります。

算定期間中に、業務外の事由による負傷などで休業したり、親族の看護のために休業した場合、もしその期間を除いて計算したほうが高額になるなら、そちらで計算した額が給付基礎日額となります。

同様に、じん肺にかかったことにより保険給付を受けている場合は、粉じん作業以外の作業に従事することになった日を算定事由発生日とみなして算定した額と平均賃金相当額を比較して、高いほうを給付基礎日額とします。
じん肺作業から別の楽な業務に代わったらたいていは給料が下がりますよね。疾病が確定した日が配置転換からずいぶん経っていたとしたら、平均賃金は下がった給料で計算されてしまい損をしちゃいます。それを防ぐためにこのように決められているんです。
 
 
算定事由発生日というのは①「負傷や死亡の原因となった事故が発生した日」or②「診断によって疾病の発生が確定した日」とされています。
②は疾病にかかった日ではなく、あくまで疾病と診断された日です。

いつ事故にあったかは「昨日の仕事中に・・・」というようにはっきり言えますが、いつ病気になったかと聞かれても「う~ん。2・3日前からちょっとだるくて・・・」のように、確定するのが難しいからです。
 
 
ところで、労災保険は「稼得能力の損失補てん」ということからも、最低額と最高額が定められています。生活していくための最低額(これを自動変更対象額といいます。)はどんな人もいっしょです。

逆に、いくら稼ぎがよいからといっても無制限にもらえるわけではないんです。(こちらは、年齢階層別の最低・最高限度額と言われています。)

こちらの話は次回。
 

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